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さらに、それぞれの職位には、「副」の字がつく人が多数いるのである。
すなわち、副部長、次長、副参事、副参与、副主事というように。
欧米の企業に、このような多数の肩書きは存在しない。
実質の伴うラインの長、すなわち、日本でいう課長か部長の立場(つまり、本当に仕事上の決裁や人事に権限をもつ管理職)にない限り、全く一肩書きがつかない企業もある。
主任だの、係長など一切なし、である。
それで、社員たちは別に文句を言わない。
セールスマンはセールスマンとして、調査マンは調査マンとして、仕事が評価され、それが給料とボーナスに正しく反映される限り、肩書きに不満は言わない。
少なくとも、私は、シティのイギリス人社員が、肩書きで不満を言っていることを聞いたことはない。
語弊を恐れずにいえば、彼らは一肩書きという名より、年収という実を取るということであろうか。
外国企業の組織では、各部門を束ねる人の数が限定されており、かつ、そこに大きな決裁権が集中している。
それが彼らのマネジメントであり、その点、きわめて簡潔である。
あいまいな名称で、権限もあいまいな職位が存在する余地はない。
一肩書きのことも、それに従っているだけである。
だからといって、「うちの担当者は、一肩書きのないこう社員ではないか。けしからん。もっと肩書きが上位の社員にしろ」などと言い出す顧客はいない。
彼らもこの国の企業社会の人間であり、互いに企業の組織を了解しているからである。
調査を担当するエコノミストやアナリストにしても同じだ。
かなりのベテランであっても、名刺の肩書きには、単に「エコノミスト」あるいは「アナリスト」としか書いていないことが多い。
しかし、彼らの仕事は、発行するレポートの質で評価される。
信頼性の高いアナリストは、社内のセールスマンや社外の顧客の問で人気があり、頼りにされる。
この時、肩書きは関係ない。
そして、そのアナリストたちも、仕事のやりやすさ、評価、それに伴う年収に不満がなければ、肩書きについて文句は言わない。
一方、日本の企業の場合は、こうはいかない。
名刺に刷っている肩書きは、実に重要な意味を持ち、従って、取引先の人の一肩書きにもこだわる。
自分の一肩書きと同等か、それ以上の人でなければ話をしても意味がないと言う人もいる。
だから、私は、日本の金融機関の重役が、イギリスに来る時などはとても気を遣う。
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